指揮者プロフィール


★金井 敬(Takashi Kanai)/指揮音楽監督

 国立音楽大学を卒業後、桐朋学園大学に進み、故斎藤秀雄、秋山和慶、小沢征爾各氏に指揮法を学ぶ。1972年ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院にて、ヘルベルト・フォン・カラヤンとカール・ メレッシュに師事。同音楽院のコンサ-トオーディションに合格しモーツァルテウム大ホールでの演奏は大好評を博した。帰国後は二期会公演、NHK招聘イタリア歌劇団、日生劇場20周年記念モ-ツァルト 4 大オペラ、ステファーノオペラ劇場などの副指揮者、合唱指揮者を務めた。東京ムジークフェライン管弦楽団の常任指揮者に就任後は、数々の在京オーケストラの指揮台にも上がる。長門美保歌劇団公演「マダム・バタフライ」の指揮でオペラ デビュ-以来、バレエの分野にもその才覚を現し、ロシア国立ノヴォシビリスク・オペラ・バレエ劇場バレエ団の日本公演「白鳥の湖」「眠りの森の美女」を指揮、更にボリショイ劇場芸術監督ユーリ・グリゴローヴィチ率いるニューロシアバレエ団の日本公演「くるみ割り人形」を指揮し、いずれも好評を博した。数度のイタリア公演に続き2007年にはアムステルダム・コンセルトヘボウにおいて、ウクライナ国立交響楽団、日欧合同合唱団によるヴェルディ 「レクイエム」を指揮。2009年11月にはウィーン楽友協会・黄金の間ホールにてブラームス 「ドイツレクイエム」を指揮し、いずれの演奏も観客を魅了し、現地プレス、スタッフ等からも大絶賛された。2011年11月ミラノ・オーディトリウムホールに於いて同劇場付きジュゼッペ・ヴェルディ管弦楽団と日伊合同合唱団によるヴェルディ 「レクイエム」を指揮。2012年3月11日ウィーン楽友協会・黄金の間ホールに於いて、東日本大震災1周年当日、日欧合同合唱団による震災復興チャリティーコンサートにてヴェルディ 「レクイエム」を指揮。翌2013年11月にはモデナ・パヴァロッティ劇場に於けるヴェルディ生誕200年記念演奏会にてヴェルディ「レクイエム」を指揮。いずれも立ち見が出る盛況の中、大成功を収める。その活動は誠に広く、氏の鋭い感性をバックボーンとした豊かな表現力と卓越した揺るぎのない構成力には斯界の定評がある。近年オペラ、バレエの数々の舞台の経験からなる繊細な表現にはますます磨きがかかり、宗教曲の分野でも評価が高い。現在、東京セントラルフィルハーモニー管弦楽団常任指揮者、JCA合唱団、日本コンサートアカデミーオーケストラ、東京室内器楽アンサンブル及び東京室内声楽アンサンブルの音楽監督ならびに常任指揮者を務める。

 2015年2月2日には東京文化会館での「ドイツレクイエム」演奏会に続き、3月8日、ウィーンで最も有名なヴァイオリニスト、ウェルナー・ヒンク(ウィーン・フィル名誉コンサートマスター)率いるクルトゥーアフェライン・オーケストラ・ウィーンとウィーン国立歌劇場ソリストと日欧合同合唱団との共演で、ウィーン楽友協会・黄金の間ホールにてブラームス 「ドイツレクイエム」を指揮、大好評を博した。


■金井先生より今回の演奏会へのメッセージ(抜粋)

 ウェルナー・ヒンク氏率いる「クルトゥールフェライン オーケストラウィーン」。2015年3月8日幸運なことに、同オーケストラの第1回演奏会となった「ブラームス/ドイツレクイエム」を指揮する事ができました。ウィーン在住だからといって、このオーケストラとの共演は容易に出来る訳ではありません。前回の演奏会でご尽力頂いた州議会議長のマリアンネ・クリクカ氏の格別なお計らいにより、今回も演奏会の実現に至り心より感謝しております。モーツァルトやブラームスはウィーンの音楽愛好家のみならず、一般市民においても、日本での想像を遙かに超えて愛されています。そのような場所で「モーツァルト/レクイエム」を演奏するのは、名誉であると同時に、これ以上身の引き締まる事はありません。だからといって恐れることなくモーツァルトの音楽に愛情を持って接し、その音楽を心から味わいつつ、謙虚に学び練習に励みたいものです。

 人生観、価値観、幸福の定義等、人の想いは様々です。更に時間、経済、健康、家族との問題等個々人の環境からの制約もあり、思い通りにならないことは多々あります。限られた時間の中で、何が大切か?何を優先するか?が問われます。生き甲斐、やり甲斐、生き方の問いかけ等。

 今回のウィーンでのコンサートへの参加を決めた方々は、様々な事情を克服した結果です。共に歌う仲間は家族の様に、かけがいのない存在です。一期一会の心を持ち、それぞれの出会いと演奏会が、貴重な宝物になるよう共に励んで行きましょう。